水泳って小児ぜんそくに良いの?
小児ぜんそくには、水泳が良いってよく言われます。実際に、子供に水泳を習わせて、ぜんそくが無くなったという話もあります。水泳が小児ぜんそくに与える良い効果を、次の3つにまとめてみました。
身体の機能が上がる効果
水泳をすると、心肺機能があがります。水泳選手の胸板は、すごく厚いですが、呼吸筋が鍛えられているためです。呼吸が整えられるようになると、ぜんそくの発作時には呼吸のコントロールができるようになります。
また、水に触れることで皮膚への刺激が行われ、自律神経を鍛えることになります。肺へ向かっている副交感神経の緊張を、皮膚への刺激として移してあげることで、ぜんそくに有効であるとされています。この効果は、乾布摩擦でも同様です。
他の運動とは違う効果
特に温水プールでは、多湿で温度も高く、気管には優しいといえます。わたしの体験でもありましたが、冷気は気管を収縮してしまい、喘息の発作を起こします。また、湿度が高いとホコリが舞うこともなく、ホコリによる発作がなくなります。
ランニングと比べてみると、水泳がどれだけ気管に優しいかが分かります。外での運動は、寒い冷気や土ほこり,大気汚染物質など、小児ぜんそくの発作を引き起こす要因がたくさんあります。室内で温水プールに入って運動することは、ぜんそくの発作を引き起こす原因から守ってくれているともいえますね。
また、泳ぐときにする息継ぎは、他の運動にはない筋力を鍛える効果があります。まずは水泳を習わせて筋力をつけてから、他の運動を習わせることもあるようです。
運動することによる精神面の効果
水泳などといった運動をすることで、体力がついたり自信もつきます。私自身も、小児ぜんそくのとき、体力がないことに気後れして、どうしても消極的になりがちで後ろ向きでした。そのような精神的なストレスは、ぜんそくにも悪影響を及ぼします。水泳は全身運動なので、身体を積極的に動かすことがストレスの発散になります。
小児ぜんそくのお子さんが、ストレスをため過ぎると、アレルギーを引き起こす物質(抗体)を体内に作ってしまいます。ストレスをやっつけようとしてできた物質(抗体)が、実は自分自身を傷つけてしまうことになってしまいます。ストレスは上手に発散させてあげることが大事ですね。
水泳をおこなう上での注意点
水泳だけでなく他の運動でも、ぜんそくの発作がなければ、効果があるようです。しかし、運動をすること喘息の発作が起きてしま場合もあります。運動誘発性のぜんそくといいます。運動し始めて発作が起こるようなら、むりに運動することは控えたほうが良いでしょう。また重い発作があったり、発作が治まりかけである場合やステロイド薬服用中は、水泳などの運動は控えるべきです。
またプールの水は、殺菌のためカルキ(塩素)が入っています。まれにそのカルキに反応して、喘息の発作が起こる場合があります。カルキに対して敏感な方は、注意が必要です。
まとめ
よく言われているのは、水泳を習い始めたからぜんそくが治ったというより、小児ぜんそくは大人になる過程で気管や心肺機能が成長したから自然に治ったということです。水泳のおかげでなく、自然に治ったんだと・・・
でも水泳という運動は、単に心肺機能を鍛えるだけではありません。水泳特有の息継ぎの仕方や、屋内プールでの高温多湿といったぜんそくに優しい環境も、小児ぜんそくに効果があるようです。