まずは怒らないで読んで下さい

小児ぜんそくのお子さんをお持ちの、お母さんのご苦労は、大変なものだと察します。特にお子さんが重症の場合、通院治療や突然起こる発作への対応など、想像を絶することもあるでしょう。お子さんが発作で苦しむ様子を見ていたら、「わたしが代われるものなら代わってあげたい」と思うこともおありでしょう。

毎日、看病で苦労なさっているお母さん方に対して、「こどもの発作が起きるのは、あなた(お母さん)のせいですよ」とは、面と向かって言うことなんてできませんし、到底言う権利もありません・・・

しかし、母親が原因となっている、「母原病」という言葉と、そういう病気が実際にあるんです。

 

母親が原因の「母原病」とは?

医療法人健育会 久徳クリニックの院長である久徳重盛先生が書かれた「母原病」という著書は、ベストセラーにもなっています。小児科に勤務し、ぜんそくの研究をはじめ、小児ぜんそくの専門医となるため久徳クリニックを開業された、小児ぜんそくのスペシャリストでもある先生です。

そんな久徳医師が、たくさんの小児ぜんそくの子供を診ていくうちに、子供たちの心の問題が原因ではないかと気付くようになったそうです。しかもその原因が、付き添いでくるお母さんとの関係が強いのではと。

原因は母親と、「母原病」と名付けました。

 

母原病となっているお母さんの2つのタイプ

子供に薬を与えて治療しても、生活スタイルを改善するように指導しても、子供の小児ぜんそくが一向に良くならない・・・ そんな子供のお母さんには、大まかに分けて2つのタイプに分かれると、久徳先生は言われています。

一つは、過保護タイプのお母さんで、寒いと子供が言うとすぐに厚着をさせたり、子供が鼻水を出していると入浴をやめさせるといったタイプです。

もう一つのタイプは、ガミガミ型の母親です。少しの子供のいたずらでも許すことなく叱りつけたり、おとなしくしなさい!静かにしなさい!といって、上から押さえつけ、子供を萎縮させてしまうタイプです。

このような母親や家族と接していると、こどもは性格だけでなく体質も決定されていくようです。

 

「母原病」のチェック項目

久徳先生は「母原病」のチェック項目を、11個作りました。思い当たる項目が多いほど、母原病である可能性が高いようです。

 

① 子供のことがあまり可愛いとは思わない

② 子供がいることで幸せとは思わない

③ 育児は不安だ

④ 育児は手のかからないようにしたいので、おとなしい子がいい。

⑤ 育児よりも外で働きたい

⑥ ガミガミ言ったりカッとなって叱ったりする事が多い

⑦ 褒めたりおだてたりすることがない

⑧ 過保護、溺愛しがちだ

⑨ 子供を他人に預けても平気だ(0~3歳児)

⑩ 子供を生き生きと楽しい気持ちにさせることが少ない

⑪ たくましく強い子供に育つとは思えない

 

どうすればいいんですか?

「お母さんが変わらないと、子供は治らない」

久徳先生は断言しています。子供自体に原因があるわけではなく、おかあさんとの接し方や考え方,子供との接し方に原因があると言われています。

母親の子供に対する影響力は、お母さんが思っているよりもはるかに強大です。子供が不安になったり、ストレスを感じるようになったりすると、実際にぜんそくの発作が起こることもあります。幼児期には全面的に愛を注ぐことが大事です。安心感を与えてあげることも大切です。

私自身も小児ぜんそくを経験しました。子供も二人います。子供に愛や安心感を与え、尊敬してもらえるような親を目指していきたいと思います。親も成長しないといけませんよね。お互い頑張りましょう。

スポンサーリンク